あの子を探して

 農村の代用教員として、わずか13才の女の子が小学校の教壇に立つことになりました。しばらくして、生徒の一人が欠席します。その子の家庭事情を聞いた彼女はその少年を探しに単身都会へ行こうとします。

 都会へ行くバス代を幼い生徒達と集め、なんとかたどりついたものの少年は行方不明になっていました。

 中国における、都会と僻地の山村の経済格差、教育格差を見せつけられます。1999年に公開されてから、約10年がたちました。中国の今の現実はどうなっているのでしょうか?どの情報を信じてよいのか、私には見当がつかずにいます。日本の場合は、ある程度現実や未来は予想できている方が多いと思うのですが、?なことが多すぎますね。

 子供が無邪気なコドモでいられる時間を守っていくのも、大人の務めでしょう。しかし、ゆとり教育の失敗といい、中国に限らず、日本も教育については難しい問題を抱えていると思います。

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ミリオンダラー・ベイビー

 クリント・イーストウッド監督作品、2005年のアカデミー賞ほか数々の映画賞を受賞した作品と知り期待していました。

 主人公のマギー、生きがいはボクシング。彼女は名トレーナーのフランキーに弟子入りを乞い続け、ついには世界チャンピオンの座を狙えるまでに。しかし、思いもよらぬ悲劇が彼女を襲います。

 ボクシングを通じて知り合ったマギーとフランキーの間は互いに「家族」、つまり父と娘に似た絆を見いだしていったのだと私は解釈しています。マギーの実の家族のあり方は残酷でした。結末に近づくにつれこの考えに異論があるかたもいるでしょうが・・・。

 愛にはいろんな形があります。家族愛、人間愛、師弟愛などなど。観る人によってこれらの愛をどのように受け止めるかが変わってくると思います。

 モーガン・フリーマンも適役でした。この作品ではアカデミー賞助演男優賞を得ています。アカデミー主演男優賞を手にとって欲しいと心の中で応援し続けている俳優です。

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橋元の物理をはじめからていねいに(力学編)

 人にも佳い出会いのタイミングがあるように、本との出会いにもそういった「タイミング」があります。「あぁ、もっと早くに出逢いたかった。」という本です。

 今は、公立高校でさえ、受験進学校になると、大学受験科目に併せて、最小限の履修科目でより難関な大学へ合格できるように「綿密な作戦」がとられていると知りました。ママスタッフから聞いて驚きました。「教育格差」は公立高校の間でも始まっているのです。各県によって、特定の大学への合格率が異なるのもごく自然な成り行きだと思いました。

 私は、不幸にも高校の時には数学とは、いい出会いがありませんでした。物理もそうです。もし、このような本に出逢っていたら、人生が大きく変わっていたでしょう。

 物理の教科書は、確かに理解しがたいですね。大学受験は、「要領の良さ」が求められます。ある程度の根気があれば、そして、その「要領」を教えてくれる人や場所に出逢えれば、努力の量はぐっと減ります。この橋元氏はその手助けをしてくれる人だと確信しました。早く会いたかったなぁ。

 以前ご紹介した「虚数の情緒」はもう少し高尚で、実際の中高生が読む時間があるのかな?でも、ぜひ、お薦めしたいと思います。

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労働CSR入門

  品質のよい製品を作り大量に販売成果を上げる企業、高い利益を上げ続ける企業が優良な企業であるという見方が変わってきています。CSR 、コンプライアンス等という言葉をよく見聞きするようになったのではないでしょうか。

 この著作では「企業の社会的責任」( CSR )の中でも、特に労働・人権問題に焦点を当ててわかりやすく解説してあります。
  
 ISO , FLA, SAI 等の機関が、労働に関して認証行為を行うことへ疑問と警鐘の意が投げかけられています。なぜこういった機関が認証を行うべきでないのか?がよく理解できました。また、ある国が独占的に利益を得るために先手をとり、恣意的な誘導を行おうとしている可能性が高いと知り驚きました。

 吾郷先生は国際労働法がご専門です。4カ国語をあやつられ、それこそ世界中を1日単位で飛び回っておられます。正直、このような方が九州大学におられるとは想像していませんでした。「国際人」「紳士」という言葉がぴったりとあてはまるお人柄です。

 私がある出来事で「もうだめだ。」とくじけそうになっていたとき「正義は必ず勝つと信じましょう。」と励まして下さいました。いつも穏やかな先生の中にある強靱な意志を感じ、ますます尊敬の念を強くしたものです。

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ガープの世界

 「生まれ落ちたその場所が、不思議なこの世の始まり、・・・ガープの世界はあなたの世界。」

 原作者、ジョン・アーヴィングの半自伝的ベストセラー小説が原作です。主人公の生いたちにひとひねり加えた展開は、前回取り上げた「サイモン・バーチ」にも通じる部分があると感じました。

 ガープの母は、看護士でした。子供は欲しいが結婚はしたくない。そう考えて、意識不明、余命数時間の瀕死の兵隊から「一方的に」精液をもらい受けて妊娠。そうして生まれたのがガープです。

 ガープがレスリングに熱中し、恋をし、小説を書く人生を選んだ点は原作者の人生と重なっています。

 主人公の母親のキャラクターが実に興味深く、また、その役を見事に演じきったグレン・クローズに拍手です。実力派名女優ですね。

 ラストシーンのヘリコプターからの風景が印象的でした。

 

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スリーメン&ベビー

 ロマンチック・コメディ、まさにそのとおり!子供を持つママにとっては夢物語。  

 子供の父親に妊娠を告げることなく出産したものの、育児と生活の両立に疲れ果てた母親が父親の住まいのドアの前に娘を置き去りに。父親は友人と共に3人で独身貴族を満喫中♪その3人のうちの一人が父親だと・・・(冷汗)。

 独身貴族の男性達が、なれない子育てに奮闘する様子をコメディタッチに描いています。パパ代わりの男性達3人はそれぞれに才能があり、収入も安定しているときています。彼らに守られての子育て&ママのキャリアアップ・・・う、うらやましい。

 スクリーンはリアルな世界をひととき忘れる場所。続編も作られたところをみると癒された方(特に女性)が多かったのでしょうね。私だって、この環境だったら喜んで何人でも子供を産んじゃいますよ~(笑)

 世間を騒がせている妊娠劇を見て、この作品を思い出しました。ぽつり。

 

 

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サイモン・バーチ

 12才にして身長が96cmしかないサイモン。「神様は何か理由があってボクを小さくしたに違いない」と信じています。彼の親友であるジョーは私生児としてうまれ、本当の父親を知りたいと願っています。

 サイモンと親しくしている理由をたずねられてジョーは答えます。

 「のけ者同士の哀しさで分かり合えるんだと思う。」

 しかし、彼らの関係に傷をなめ合うといったじめじめした感情はありません。サイモンにはユーモアのセンスがあり、その才能でジョーを励ますことも。

 ケータイやネットで何人もの友達?がいるよりも、身近に本当に分かり合える親友一人がいるっていいなぁ・・・とこの映画を観て思いました。しかし、親友といえど「個」と「個」のつながり。

 人間関係における「適度な距離感」を保つセンスが養われていくような環境が現代社会には必要な気がします。

 観た後に「ガープの世界」のジョン・アーヴィングの原作を元にしていると知りました。この「ガープの世界」も「人生とは?」というテーマに光を当てた作品です。

 さて、サイモンに与えられていた神様からの使命とは?

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内側から見た富士通「成果主義」の崩壊

  3年ほど前のことです。九州大学MBAコースにおいて、富士通の人事最高責任者の方が特別講義をされました。「成果主義」という言葉が世の中をにぎわせていた頃です。

 内部告発的な内容のこの著書の出版により、「成果主義」という人事評価方法への不満が一気に表に出てきたようです。成果主義の洗礼を受けていない上司に「成果を出しなさい。その成果によって昇進を決めます。」と突然言われても、多くの社員は戸惑うしかなかったことでしょう。「成果」の定義が不明瞭だからです。
 
  著者は東大卒、人事部に在籍していた方でした。声を上げなければエリート企業人として人生をつつがなく送れたことでしょう。しかし、その恵まれた地位を捨てて、世の中にこのシステムの問題点を提起されたようです。

 私は、特別講義の前にこの本が指定図書にあげられるものと思っていました。しかし、富士通の方や教授は講義ではこの本のことにはまったく触れませんでした。自社の成果主義に基づく人事システムについて、成り立ちやその利点、正当性などを語られただけでした。

 この科目は必修科目でした。講義にでている学生の多くは向学心にあふれた社会人であり、企業人です。きちんと情報を与えてからディスカッションをするのがビジネススクールでのフェアなあり方ではないかと当時の私は疑問を抱きました。

  大企業は社会に対して大きな影響力を持っています。利益を上げることはもちろん重要です。しかし、目先の1~3年ほどの利益を上げるだけを目的にしていくと、どうしても人をモノのように扱う傾向になりかねません。人は育ちにくくなります。そのツケがきっと回ってくるのではないかと危惧もしていました。

 真面目に努力をしようとしている若者たちが希望をもって働き続けられる雇用環境を早急に作って欲しいと願っています。企業人としてだけでなく、家庭人としての視点からも社員の生活をみることができるセンスを持ち合わせたトップが増えて欲しいものです。

 

 

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暗くなるまでこの恋を

 さて、フランソワ・トリュフォーの愛の世界&フランスを代表する女優、カトリーヌ・ドヌーヴの作品の登場です。ハリウッドでもリメイクされましたが、女優の美しさ、演技力が桁違いに違うと思います。リメイク作品の題名は・・・ヒ・ミ・ツ(笑)。

 サスペンス的要素が盛り込まれたストーリーが作品の中盤までの軸になっています。ちょっぴりハラハラしながら観たものです。後半は監督お得意の愛の世界の表現が中心になってきます。カトリーヌ・ドヌーヴの美しさに目がくぎ付けとなりました。

 日本ではヒットしましたが、意外なことにフランス本国では不評だったとか。サスペンスにも徹することができず、恋愛の世界もいまひとつ、結末にも???ということでフランスの観衆は不満を持ったのかもしれません。

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日の名残り

 アンソニー・ホプキンスはイギリス王室から貴族の称号を与えられたほどの名優です。 イギリス貴族である主人へ、常に忠実な執事の姿がこの映画の軸となっています。また、彼が抱いたある女性への慕情も実に穏やかに、静かなトーンで描かれています。

 1930年代の第一次大戦後、1950年代の第二次大戦後が物語の背景となっています。第一次大戦後の戦後処理のまずさが、結果的に第二次大戦を招いたのだと改めてこの映画で学びました。「英国紳士」であろうとする振る舞いをヒトラーに利用されたとは・・・。

 エマ・トンプソン、そして今は亡きクリストファー・リーヴといったキャストも実に素晴らしく、この作品を際だたせるのにふさわしい配役でした。

 スタッフ、原作者の解説による特典映像の数々により、2度も3度も楽しめる名作です。 

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